おやつやジュースの取り方で一番虫歯になりやすいのは回数や時間の多い場合です。お口の中に食べ物がずっと入った状態でいると、歯が溶けやすく虫歯になりやすいので注意が必要です。同じお砂糖の量でも一度に摂取する場合よりもだらだら取るほうがはるかに虫歯になりやすくなります。そのため、あめやガム、ペットボトル入りのジュース・スポーツドリンクがお口の中にずっと入った状態は、虫歯になりやすいと考えられています。
歯を磨かなければ虫歯になります。小さい頃から歯磨きの習慣をつけましょう。
残念ながら、歯ブラシだけでは歯と歯の間の汚れは落ちにくく、特に奥歯は虫歯になりやすいので、フロス(糸ようじ)を使って、歯と歯の間の汚れを落としていきましょう。子どもの仕上げ磨きをしっかりしている方でも、奥歯の虫歯を見落とすことがあるのでフロス(糸ようじ)を使う事をおすすめします。また、フロスはお口の中に歯磨き剤があるうちに通すのが効果的です。歯みがき剤の中には歯を強くする成分のフッ素が含まれていますので、歯と歯の間まで染み込んでくれます。
1日2回、フッ素入りの歯磨き剤を使ってください。
歯医者さんでのフッ素(高濃度)も効果的です。フッ化物歯面塗布の回数に応じて、虫歯抑制効果が上がるというデータもでていますので、乳歯が生え始めたら歯医者さんの指導のもと適切な回数を塗ってもらいましょう。
フッ素を塗ったからといって安心しないで!フッ素は歯を強くしますが、それ以上に歯を溶かす力が強ければ、虫歯になります。
虫歯は感染症といいまして、子どもが1歳半~3歳の間に近親者から移りやすい病気です。
特に2歳前に感染してしまいますと、将来虫歯が重症化してしまいますので、これを防ぐ必要があります。
そのためには、お母さん、お父さんのお口のなかに虫歯菌が少ないことが重要です。
当院ではお口の中の健康を保っていただくために3か月に一度の定期健診をお勧めしています。
どんな気をつけていても、お口の中には見えないところ、気づかないところは必ずあります。
痛くなったから歯医者に行くとお考えの方がいらっしゃいますが、それでは遅いのです。虫歯はかなり進まないと痛みはないからです。歯茎についても同じです。定期的にお口の中を診せていただくことで、毎日お手入れの効果を評価し、悪くなり始めたところがないかをチェックします。悪くなってからよりも、定期健診に来られたほうが、痛い思いをしなくて、ストレスも少なくてすみます。どのような病気も、なってから治すのではなく、なる前に予防することが一番の治療法なのです。
キシリトールが虫歯を防ぐ理由は、大きく2つに分けることができます。
虫歯の原因となるプラークをつきにくくし、歯の再石灰化を促します。さらにキシリトールは、虫歯のきっかけをつくる原因菌(ミュータンス菌)の活動を減少させる働きをもっています。この原因菌の活動を減少させる働きは、他の甘味料にはみられないキシリトールだけの効果です。
キシリトールは口の中で「酸」をまったく作りません。さらに酸の中和を促進する働きも持っています。唾液も出やすくなるなど、口中を虫歯になりにくい状態に保ってくれます。毎食後、継続摂取することによって、虫歯の発生を大きくおさえる効果が期待できます。キシリトールのように、数多くの長期にわたる研究で、虫歯の予防効果があると認められた甘味料は他にありません。
キシリトールは、多くの果実や野菜の中に含まれる天然の甘味料です。
私たちがガムやタブレットで口にするキシリトールは、白樺などの木からつくられることがおおいのですが、「キシランヘミセルロース」を原料に作られています。
日本では、1997年4月に食品添加物として認可されました。しかし、その10年以上前から点滴の輸液成分として使用されるなど、キシリトールは人体にとって安全なものとして知られていました。その安全性から2つの国際機関(WHO、FAO)により「1日にどれだけ摂取してもよい」食品として扱われています。また、妊娠中のお母さんにも安全(2つの国際機関(WHO、FAO)に承認されています)で、キシリトールを食べているお母さんから生まれた子どもは、虫歯になりにくいという研究が報告されています。
他にも、血糖値を上げないので糖尿病の方にも安心です。
キシリトールがあれば、それだけで虫歯を防げるわけではありません。歯を虫歯から守るためには正しく歯を磨いたり、フッ素が配合されたはみがき粉を使ったりする事が大切です。
キシリトールは、プラークを剥がれやすくし、ブラッシングの効果を上げたり、フッ素と一緒になって、より歯を硬くするなど、普段の虫歯予防に加える事で大きな効果を発揮します。
毎日の習慣にプラスして虫歯予防をしっかりサポートしてくれる。
それがキシリトールなのです。
小さなお子さまは、健全な発育の観点から、三度の食事では、栄養が不足になりがちなので、1日2回程度の間食(おやつ)は必要です。間食は10時と3時などに時間を決め、間食(おやつ)内容を工夫しておやつを食べるようにしましょう。間食(おやつ)は、砂糖が少なく、お口の中にある時間が少ない物がおすすめです。